歯周病の治療について

歯周病とは

歯垢・歯石に潜む細菌が歯肉に炎症を起こす病気です

歯周病とは、歯垢や歯垢が硬くなった歯石が歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)にたまっていくことで、歯垢・歯石に潜む細菌が歯肉に炎症を引き起こす病気です。進行すると歯を支える骨(歯槽骨)まで溶かしてしまい、最悪の場合は歯が抜けてしまいます。

心臓病や糖尿病などの全身疾患にも関わります

歯周病は適切に治療を行わないと、やがて口腔内に大きな影響をもたらしますが、それは口の中だけに留まりません。何らかの理由で歯周病の原因菌が血液の中に入り込んで全身を巡り、心臓病などの発症リスクを高めると言われているのです。また、糖尿病の人は歯周病になりやすくなるなど、全身疾患に関わる病気として知られています。
つまり、歯周病を治療することは、私たちの健康増進にもつながると言えるのです。

対症療法型になっている日本の歯科医療

歯周病は自覚症状がないため、早期発見が重要です

歯周病には「歯肉に出血がある」「歯がグラグラする」といった症状がありますが、これらは進行しないと現れません。軽度の段階では症状がないことが歯周病の特徴です。ですから、定期的に歯科医院を受診して早期に病気を見つけ、適切に治療することが重要です。

対症療法型の日本では70歳以上の2人に1人が入れ歯…

しかしながら、現在の日本の歯科医療は「むし歯があったら削る」という、対症療法型が主流になってしまっています。その結果として、70歳の日本人において、残っている歯の数の平均はたったの8本。70歳以上の2人に1人、85歳以上の約9割は入れ歯をしていると言われています。

欧米のように予防型の治療に移行すべく、啓発に取り組んでいます

その一方、歯科医療の先進国であるスウェーデンでは70歳における平均残存歯数は20本で、米国と英国でもそれぞれ17本、15本です。なぜ日本とこれほど開きがあるのでしょうか。

それは、欧米では歯科医師、患者様ともにむし歯や歯周病を未然に防いでいこうという意識が高く、予防型の治療が普及しているからです。当院でも、予防型の治療を理想として、患者様にその大切さを伝えていこうと考えています。

歯周病の治療方法について

歯垢や歯石をじっくりと丁寧に取り除いていきます

歯周病を改善していくためには、患者様の適切なセルフケアと歯科医院での専門的な治療を並行して行っていくことが重要です。歯科医院では歯の汚れや歯垢、歯石を専用の器具で取り除く処置を行います。この方法をスケーリングまたはルートプレーニングと言います。総称してSRPと呼びます。

当院ではこのSRPに力を入れており、じっくりと時間をかけて丁寧に除去していきます。ステインの除去を含めて全て保険内で行っています。

当院の歯周病治療に対して、患者様からも喜びの声が聞かれます

患者様からも「ここに来てから本当に良くなった」「会社が変わるけど引き続きここで歯周病の治療を受けたい」などの喜びの声が聞かれています。

SRPで改善できない重度の場合は、症例によっては歯肉を切開して歯垢や歯石を直接取り出すフラップ手術を行うこともあります。

むし歯や歯周病は予防することができます

むし歯や歯周病は、適切にセルフケアを行い、定期的に歯科医院でメンテナンスを行うことで
予防することが可能です。

歯科医院でメンテナンスを行う重要性

強固に付着した歯石はブラッシングだけでは除去できません

むし歯や歯周病を防ぐ上でセルフケアだけでは不十分です。歯垢が硬くなった状態である歯石はブラッシングだけでは除去できず、歯科医院で専門的なケアを行うことで取り除くことができます。

喫煙やコーヒーを習慣的に飲むなどの生活習慣によって歯が汚れやすかったり、ステインがつきやすくなったりします。

歯科医院でメンテナンスを行って、歯の汚れや歯垢、歯石を除去して病気を防ぐようにしましょう。

患者さんに勧めたいセルフケアグッズ

フロスや歯間ブラシを併用しましょう

セルフケアだけでは不十分だとは言うものの、病気を防ぐためには、その精度をできる限り高めていくことは必要です。当院ではブラッシングだけでなく、フロスや歯間ブラシの併用をお勧めしています。

フロスは、歯と歯の隣接面に残った食べかすや歯垢を取り除けるので、むし歯を予防するために有効です。また、歯周病が進行して歯肉に出血がある人は、歯間ブラシを使うと良いでしょう。歯肉をマッサージする効果が見込めます。

ブラシが直角に折れているワンタフトブラシも有効です

聞き慣れないかもしれませんが、ワンタフトブラシも当院でお勧めしているグッズの一つです。これはブラシの部分が直角に折れているもので、奥歯の裏側など一般的な歯ブラシでは届きにくい部分を磨く際に有効です。